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ミニベロの利点 その1 全体像編 [ミニベロ考察]

中華カーボンミニベロ号をこよなく愛している私ですが、
700cのロードに対し、ミニベロが大きくアドバンテージを持っているとは思っていません。
購入動機はただただその見た目に惹かれたから。
700cに見慣れていると、
その寸詰まりな20インチダイヤモンドフレームが可愛らしく思えるのです。
ブルドック的な愛らしさ。


それなりに乗ってくると、
そんなミニベロにもいくつか長所、
この場合は700cと比較したときのアドバンテージを感じ始めました。
今回はそのご紹介をしてみたいと思います。



短所

その前に、短所をまとめておきましょう。


小径ゆえに

車輪の回転が700cに比べて早いため、
ハブの抵抗の影響が大きくなります。

路面の凹凸の影響を受けやすく、
スポーク長の短さによるホイール剛性の高さも相まって、
乗り心地は余りよくありません。
これはロングライドでは結構つらいところですが、慣れですね。


前面投影面積は700cとあまり代わらないので空気抵抗は変わらないと思うのですが、
ホイールが小さい分、スポークの空気抵抗が小さくはなっているはず。


車輪の回転数が大きくなることから、
タイヤの消耗は700cよりも早いです。
小径車のタイヤは比較的高価なので、
タイヤのせいでランニングコスト高となってしまいます。
チューブ価格は700cより少し高いですが、
元々それほど高くないものなのであまり実感しません。



小径車はどうしてもハンドルがクイック過ぎる傾向があります。
20インチでもやはり700cに慣れているとクイックに感じますね、



小径車がメジャーじゃない為に

フレーム・ホイールの選択肢が狭いので、
超軽量に組むのは難しいです。
量産効果の乏しさから、価格も安くはなりにくい。


何かのときに予備チューブの入手性は
700cに比べて少し劣ります。
できれば2本、最悪でも1本プラス補修パッチを携帯したいところです。




総合すると

速度の低下が激しく、乗り心地が悪く、ランニングコストが大きく、
そしてロングライドに向いていない自転車。
それがミニベロです。




よく言われる長所

次に、ミニベロでよく言われる長所について。

  • 小回りが利く
  • 車体が小さくて輪行が楽

このあたりがすぐに思いつく点でしょうか。
この辺に反論してみます。




小回りは普通

そもそも「小回り」の定義が曖昧というか、色々ありそうです。
考えられるのは、こんな感じでしょうか。
  • 小さな半径での方向転換がしやすい
  • ストップ&ゴーが楽
  • 盗難被害が小さいので気軽に停めやすい
  • 輪行が楽



  • 実際に乗ってみると分かりますが、
    方向転換のしやすさは、700cとあまり変わりません。
    停止状態で、前輪だけもしくは車体全体を持ち上げて方向を変える時に、
    ホイールサイズの小さい分だけ障害物に当たりにくいくらい。
    でもそんなこと滅多にありません。

    乗ったままでの方向転換、つまり進路変更には違いは無く、
    クイック過ぎるミニベロよりも700cの方がスムーズとさえ思えます。



    ストップ&ゴーが楽、と言うのはなかなか興味深い論点です。

    この場合は特にゴー、つまり発進が楽ということだと思います。
    ただこれ、私の感想としては、
    単にミニベロの小さなギアで発進しているからに尽きると思うのです。
    実際のところは、超低ギア比にした700cでも発進は楽ですし、
    重いギアにしたならミニベロでも発進はつらいです。
    結局はギア比(正確にはディベロップメントかな)に依存するので、
    あまり発進が楽だというメリットがミニベロ由来のものだとは感じません。

    車輪径が小さいのでモーメントが・・・とか、
    確かに数値上はメリットがあるのでしょう。
    でもそれは発進時に体感できるほどの違いはない、と思っています。
    軽さはギアが支配的過ぎて。




    輪行に関しては、これは迷信の類です。
    車輪が小さくても、フレームサイズは変わらないので、
    輪行袋のサイズはあまり変わりません。
    それどころか、実は同じポジションを出せるダイヤモンド型フレームの場合、
    ミニベロの方が輪行サイズは大きくなります。
    車輪の小ささを補いながらBBハイトを保つ為、
    フォークや後ろ三角が700cに比べて下方向に長くなるんですね。
    ホイールベースは同じくらいなので前後の長さはあまり変わりません。
    ホイールを外したフレームは、
    ハンドル・サドル・BBで比較するとほぼ同じ大きさで、
    リアエンド・フロントフォークエンドが下に伸びる分大きくなるのです。

    というわけで輪行は楽にはなりません。



    盗難被害が小さいので気軽に停めやすいというのは、
    量販店で買うような一般的なミニベロの話。
    Bianchiやラレーのミニベロ、
    ブロンプトンやBirdyなら容易に10万円を超えますから、
    気軽に停めるなんてできやしません。
    アレックス・モールトンのダブルパイロンなんて、
    フレーム価格が200万円ですし、
    オーダーから2年待ちなんていう状態らしいです。

    200万円ももちろん厳しいですが、
    2年待ちなんてとてもとても。
    承継者だってお高い自転車はあるわけですから、
    「安い」ミニベロなら気軽だが、普通のミニベロなら気楽ではない
    という何とも普通の文章になってしまいます。





    メリット

    では、メリットは何でしょう。

    「見た目がかわいい」は置いておきましょう。
    本当は、それが最大の購入動機なはずです。
    ・・・でもそれは個人の嗜好なので、
    今回は泣く泣く論点から外します。



    低ギア比化が容易

    これはホイールサイズが小さい事を直接的に享受するメリットです。
    700cのフロントダブルの場合、
    シマノのロードコンポの正規の使用方法で得られる最低ギア比は
    フロント34T、リア32Tにしたときです。

    2.096m (700x23cのタイヤ円周) x 34 (フロント歯数) / 32(リア歯数) = 2.227m

    なので、クランク1回転で2.227m進み、
    ケイデンス90では12.0 km/hで走れます。

    20インチWOの20x1-1/8はタイヤ周長が1.545mです。
    フロント34Tで統一すると、
    ケイデンス90で12km/hくらいになるのはリアが23.6Tくらい。
    24T以上のリアスプロケを使うと、700cの34/32よりも小さなギア比が得られるわけです。

    フロント34Tは昨今子コンパクトクランクではほぼ標準と言ってもいい歯数ですし、
    リア24T以上のスプロケも簡単に入手できますね。
    700cでは苦労するギア比1.0以下への低ギア比化も、
    ミニベロで700c換算でギア比1.0以下にするのは思いのほか簡単です。

    700cの場合、34/32未満にしたいなら、
    (1) トリプルのアウター外し
    (2) ラ・クランクなどの特殊クランクの導入
    などを検討しなければなりませんから、
    少し敷居が高くなります。


    軽いギアが簡単に得られるメリットですが、
    逆に重いギアが難しいということになります。
    ただし、56T や60Tなどはそこそこ簡単に入手できますから、
    あまりデメリットにはならないかもしれません。
    シマノの最近の4アームの場合はまだ巨大ギアがないかもしれませんけど。



    低ギア比化は私のような貧脚家にとってはありがたいメリットですが、
    34/32で十分な普通以上の脚を持っている人にとっては意味がありません。
    一部の貧脚家にのみが享受できるメリットです。

    ミニベロでそこまで本格的に乗る人は少ないと思うので、
    私を含めた一般のミニベロライダーにとっては大きなメリットです。



    遅くても許される

    ロードではなくミニベロですから、
    多少遅くても許されるという気になります。

    上りをゆっくり走っても、
    平地をのんびり走っても、
    ミニベロの愛くるしい姿が全ての言い訳になってくれます。
    5km/hくらいでも、
    超低ギア比でくるくるとペダルを回している姿は
    滑稽でもあり可愛らしくもあります。



    本題

    さて、ここからが今回の本題。
    世の中が思っているメリットに対する反論で、
    「輪行は楽にならない」
    なんて大見得を切っておきながら、
    実は輪行が楽になるかもしれないというお話し。

    というところで次回に続きます。

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