シマノ 5800系新105 ブレーキキャリパー比較 [自転車部品探訪]
前回のSTI比較に続いて、
今回はブレーキキャリパーの比較をしてみたいと思います。
今回も6800系アルテグラ、5800系105(新105)、5700系105(旧105)として
それぞれどこが変わったのかを見ていきます。
なお、ブレーキキャリパーにはこれまでと同じよく見るタイプのものと
ダイレクトマウントブレーキタイプがありますので、
両方ともいっぺんに見てみましょう。
まずはブレーキの互換性を見てみましょう。
以下の表にまとめてみました。
スーパーSLRはブレーキの構造(デュアルピボットブレーキ)の名前ですが、
新(ニュー)スーパーSLRは、ブレーキの引き量のことを言っていることが多いです。
スーパーSLRの引き量が、
・オリジナル(初期)のもの
・ニュースーパーSLR(後期)のもの
の2種類あるということです。
つまり、ニュースーパーSLRのスーパーSLRのブレーキが存在します。
例えばBR-5700がそうです。
7900デュラ・6700アルテグラ・5700-105・4600TIAGRA・3500SORA・2400CLARIS
およびBR-R651・BR-R451あたりがこれに当たります。
次に、SLR-EVはブレーキ構造名で、引き量は新スーパーSLRと同じです。
なので、ニュースーパーSLRのブレーキレバーなら
SLR-EVを使うことができます。
キャリパーと同じく、7900世代(上に書いた互換ブレーキの世代)と、
現行11速世代(9000・6800・5800)で引けるということになります。
5800系105の導入を検討されている方で、
レバーが旧スーパーSLRの場合、
レバーの交換も検討する必要があります。
とはいえ、5800系105の導入検討する人は、
主に11速化が目的でしょうから、STIは元々交換する予定のはず。
あまり互換性は考えなくてもいいかもしれません。
7800・6600(G含む)・5600・4500・3400・2300世代、
もしくはそれ以前のコンポからキャリパーだけ交換する人が要注意です。
スーパーSLRのキャリパーと互換性があるSLR-EVですが、
機構としては大幅に刷新されています。
スーパーSLRのブレーキキャリパーには、
下の図のように2箇所の軸がありました。
正面から見た図(右端)の、赤いところです。
雷のようなマークが、力がかかるところ、という意味です。
こちらの図はSLR-EVの仕組みを示した図です。
SLR-EVでは、センターに1箇所のフレームとの接続箇所と、
左右に2箇所のベアリング部分の合計3箇所となりました。
左右均等になることにより、
左右のアームの差がなくなり(バランスよし→片効きが減る、調整が容易など)、
軸から力点までの距離が短くなり(剛性アップ)、
ユーザーとしてはいいところしか見つかりません。
(製造側からすると、部品増などで大変だと思いますが・・・)
で、ダイレクトマウントブレーキは、
センターの軸すらなくなり、
左右の軸自体で車体に固定するため、
更に剛性アップ・高バランスを実現できているはずです。
(なお、5800系ダイレクトマウントブレーキBR-5810は、5700系ダイレクトマウントのBR-5710からほとんど変わっていません。
なぜなら、BR-5710は5700系のくせに
いち早くSLR-EVを採用していたからです。)
雨や泥でしか活躍しないくせに、
重量増が甚だしいディスクブレーキなんかより、
ダイレクトマウントブレーキの方が広まってくれるといいと思っているのですが、
なぜか世論はディスク寄りなんですよね。
ディスク、そんなにいいかなあ。
次に、以下の表で
細かいところを見てみましょう。
表を見てみると、
BR-5800はBR-5700のアップグレード版ではなく、
BR-6800を105化したものであることが分かります。
違いは
・価格(当然です・・・)
・重量(15gくらい?)
・剛性(多少6800の方が高剛性になのではないかな・・・・)
・色(アイスグレーvsブラック/シルバー)
くらいでしょうか。
うーん、ほとんど違わないですよね。
色で選んでも問題ないかもしれません。
私は通勤号にはBR-6800を採用しましたが、
5800系が発売されていたら、
きっとBR-5800にしていたはずです。
ちなみに、11速系から採用されているR55C4は、
R55C3に比べてWET時の制動力が20%アップしているそうです。
それでいて減りにくくなっているそうです。
雨の日に走って、シートステーが削りカスで真っ黒になるなんてことが、
少しは軽減されていると嬉しいです。
晴天時ではほとんど変化ないらしいですが。
<追記>
BR-5800の重量が378gだという資料を発見しました。
BR-5700よりもちょっと重くなるんですね。
次回はフロントクランクです。
スポンサーリンク
***** シマノ 5800系新105 比較 目次 *****
STI 編
ブレーキ編
クランク編
フロントディレイラー編
リアディレイラー編
スプロケ編
その他とまとめ編
今回はブレーキキャリパーの比較をしてみたいと思います。
今回も6800系アルテグラ、5800系105(新105)、5700系105(旧105)として
それぞれどこが変わったのかを見ていきます。
なお、ブレーキキャリパーにはこれまでと同じよく見るタイプのものと
ダイレクトマウントブレーキタイプがありますので、
両方ともいっぺんに見てみましょう。
まずはブレーキの互換性を見てみましょう。
以下の表にまとめてみました。
構造名 | 引き量 | 例 |
---|---|---|
スーパーSLR | スーパーSLR(初期) | BR-5600, BR-6600 |
NEWスーパーSLR | BR-5700, BR-6700 | |
SLR-EV | BR-5800, BR-6800, ダイレクトマウント |
スーパーSLRはブレーキの構造(デュアルピボットブレーキ)の名前ですが、
新(ニュー)スーパーSLRは、ブレーキの引き量のことを言っていることが多いです。
スーパーSLRの引き量が、
・オリジナル(初期)のもの
・ニュースーパーSLR(後期)のもの
の2種類あるということです。
つまり、ニュースーパーSLRのスーパーSLRのブレーキが存在します。
例えばBR-5700がそうです。
7900デュラ・6700アルテグラ・5700-105・4600TIAGRA・3500SORA・2400CLARIS
およびBR-R651・BR-R451あたりがこれに当たります。
次に、SLR-EVはブレーキ構造名で、引き量は新スーパーSLRと同じです。
なので、ニュースーパーSLRのブレーキレバーなら
SLR-EVを使うことができます。
キャリパーと同じく、7900世代(上に書いた互換ブレーキの世代)と、
現行11速世代(9000・6800・5800)で引けるということになります。
5800系105の導入を検討されている方で、
レバーが旧スーパーSLRの場合、
レバーの交換も検討する必要があります。
とはいえ、5800系105の導入検討する人は、
主に11速化が目的でしょうから、STIは元々交換する予定のはず。
あまり互換性は考えなくてもいいかもしれません。
7800・6600(G含む)・5600・4500・3400・2300世代、
もしくはそれ以前のコンポからキャリパーだけ交換する人が要注意です。
スーパーSLRのキャリパーと互換性があるSLR-EVですが、
機構としては大幅に刷新されています。
スーパーSLRのブレーキキャリパーには、
下の図のように2箇所の軸がありました。
正面から見た図(右端)の、赤いところです。
雷のようなマークが、力がかかるところ、という意味です。
こちらの図はSLR-EVの仕組みを示した図です。
SLR-EVでは、センターに1箇所のフレームとの接続箇所と、
左右に2箇所のベアリング部分の合計3箇所となりました。
左右均等になることにより、
左右のアームの差がなくなり(バランスよし→片効きが減る、調整が容易など)、
軸から力点までの距離が短くなり(剛性アップ)、
ユーザーとしてはいいところしか見つかりません。
(製造側からすると、部品増などで大変だと思いますが・・・)
で、ダイレクトマウントブレーキは、
センターの軸すらなくなり、
左右の軸自体で車体に固定するため、
更に剛性アップ・高バランスを実現できているはずです。
(なお、5800系ダイレクトマウントブレーキBR-5810は、5700系ダイレクトマウントのBR-5710からほとんど変わっていません。
なぜなら、BR-5710は5700系のくせに
いち早くSLR-EVを採用していたからです。)
雨や泥でしか活躍しないくせに、
重量増が甚だしいディスクブレーキなんかより、
ダイレクトマウントブレーキの方が広まってくれるといいと思っているのですが、
なぜか世論はディスク寄りなんですよね。
ディスク、そんなにいいかなあ。
次に、以下の表で
細かいところを見てみましょう。
Ultegra | 新105 | 旧105 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
ノーマルブレーキ | BR-6800 | BR-5800 | BR-5700 | |||
ダイレクトマウント | BR-6810 | BR-5810 | BR-5710 | |||
構造 | SLR-EV | スーパーSLR | ||||
シュー | R55C4 | R55C3 | ||||
シフトワイヤ | ポリマーコーティング対応 | ノーマル | ||||
舟 | カートリッジ | |||||
対応引き量 | new super SLR 以降 | |||||
重量 | 335g | 378g | 350g | |||
リンク |
表を見てみると、
BR-5800はBR-5700のアップグレード版ではなく、
BR-6800を105化したものであることが分かります。
違いは
・価格(当然です・・・)
・重量(15gくらい?)
・剛性(多少6800の方が高剛性になのではないかな・・・・)
・色(アイスグレーvsブラック/シルバー)
くらいでしょうか。
うーん、ほとんど違わないですよね。
色で選んでも問題ないかもしれません。
私は通勤号にはBR-6800を採用しましたが、
5800系が発売されていたら、
きっとBR-5800にしていたはずです。
ちなみに、11速系から採用されているR55C4は、
R55C3に比べてWET時の制動力が20%アップしているそうです。
それでいて減りにくくなっているそうです。
雨の日に走って、シートステーが削りカスで真っ黒になるなんてことが、
少しは軽減されていると嬉しいです。
晴天時ではほとんど変化ないらしいですが。
<追記>
BR-5800の重量が378gだという資料を発見しました。
BR-5700よりもちょっと重くなるんですね。
次回はフロントクランクです。
スポンサーリンク
***** シマノ 5800系新105 比較 目次 *****
STI 編
ブレーキ編
クランク編
フロントディレイラー編
リアディレイラー編
スプロケ編
その他とまとめ編
ディスクはリムからブレーキ関連の性能を取っ払えるというそっちの方の大きなメリットがありますからね。
逆に言うと、クリンチャーのアルミリム派には無関係な話です。
by gdn (2014-05-26 02:43)
gdnさん
そうでした。
リムの設計の自由度が上がることを挙げ忘れていました。
シリアスレーサーには外周部の軽量化が大きなメリットとなるでしょう。
ホビーサイクリストの私には
その差を感じ取れるかどうか不安ですが・・・。
by takerunosuke (2014-07-08 12:49)