RALEIGH ミニベロ2015 考察6 ペダルとブレーキ編 [ミニベロ考察]
前回はクランクセットとカセットスプロケット編で、
主にRSCとRSPのギア比の考察をしました。
今回はペダルとブレーキ編です。
Raleigh RSCとRSPは、
今回のペダルとブレーキ編に最大の特徴が現れています。
パーツリストを再掲しておきます。
まずはペダルから。
と言っても、RSCに関して言えばペダルが付属しません。
これは一部の安いものを除いたロードバイクやMTBの売り方です。
ロードの場合は、ペダルは自分にあったものを使いたいという要求が大きいためですね。
シマノのSPD--SL、タイム、LOOK、SPEEDPLAY・・・
ロード用のビンディングシステムは好みが分かれるため、
ペダルは自分の好きなものを使ってね、ということになっています。
MTBはほとんどシマノ一色かと思いますが、
タイムもありますし、
ロードと同様の理由で付属していないのでしょう。
ミニベロの場合、ほとんどはフラットペダル(通称フラペ)がついていますし、
大抵の場合はビンディングを使わないでしょう。
そのため、定価13.5万円のGIOSのPANTOですらペダルが付属します。
そんな中、Raleigh RSCはペダルを付属させませんでした。
これは完全に、
「ビンディングペダルを使用しますよね?」
というメッセージに他なりません。
もちろんフラットペダルを使っても問題ないのですが、
ここはRaleighからのメッセージを汲み取って、
ビンディングにしたいところです。
RSPはWellgo LU-962というフラットペダルが付属します。
スポーティに乗りこなすことも出来ますが、
のんびり乗ってもいいですよ、というメッセージかと。
次にブレーキですが、ここも大きく差異があります。
RSCのコンポは、基本的に5800系105ですので、
ブレーキも当然5800系105のBR-5800が採用されています。
・・・勢いで当然と書いてしまいましたが、
ロード完成車市場ではあまり当然でもないんですよね。
「コンポは105を採用!!」
とか謳っている完成車でも、
よく見るとブレーキがテクトロ社製だったり、
他にもクランクがFSAだったりします。
これらはどちらも性能面から選ばれたわけではなく、
単純にコストダウンでしかありません。
クランクはフロント変速が少しもたつくのを我慢すればまだいいですが、
ブレーキはそうもいきません。
安全装置ですからね。
ブレーキでコストダウンするのは最低の愚策と言っていいでしょう。
そういうメーカーは、一部だけ豪華なパーツを使っていたりするのです。
見栄えのいいリアディレーラー、
どうしても目立つデュアルコントロールレバー、
無駄にカーボン(芯はアルミ)のハンドルとステム・・・
ブレーキがシマノ製(カンパ・SRAMならそれに合わせて)であるかどうかが、
そのメーカーの姿勢を量るひとつの目安になります。
BR-5800採用のRaleigh RSCには拍手を送りたいです。
さて、次にRSP。
こちらはなんと、BR-CX50です。
CXと名づけられていることからも分かるように、
BR-CX50はシクロクロス寄りのパーツで、
カンチレバーと呼ばれるブレーキ。
キャリパーブレーキと呼ばれるタイプのBR-5800に比べ、
・制動力が弱め
・泥詰まりしにくい
・太いタイヤを履ける
という特徴があります。
制動力が弱いという最大の弱点があるので、
あまりオススメではないブレーキですが、
RSPがのんびりポタリング向けと言うことを強く意識された完成車であることを考えると、
BR-CX50の制動力で大丈夫と考えたのでしょう。
そういう検討がなされたと信じたいです。
下2つの特徴はどちらもメリットですね。
どちらもシクロクロス系では重要な要因ですが、
日本の道路事情ではあまり効果はないでしょう。
あとで比較するタイヤ編でもわかりますが、
実はRSCよりもRSPのタイヤの方が細いです。
なので太いタイヤを履けるというメリットで採用しているわけでは無さそう。※
そもそも、太すぎるタイヤにはあまり良いところないですからね。
重くなるだけですから。
乗り心地は空気圧管理で行なうべきです。
太すぎるタイヤで、
「歩道の段差を乗り越えやすい」
とか言い出したら、歩道走行が推奨されているような錯覚を与えてしまいます。
「自転車は車道」
忘れてはいけない基本ルールです。
※2015/8/13修正
勘違いしていました。
RSCが1インチでRSPが1-3/8インチなので、
RSPの方が太いですね。
それもかなり太い。
ということは、カンチ採用の理由は乗り心地向上などの為に
太いタイヤを採用したかったからかも。
さて、ではなぜBR-CX50が採用されているかというと、
これは単に見た目で選択されたのではないかと思うのです。
どうもRSCはロードを意識した部品選び、
RSPはスポルティーフやランドナーを意識した部品選びがなされているように思います。
ランドナーやスポルティーフ、果てはキャンピングなどが流行ったころは、
舗装されていない道も自転車で走り続けていたのです。
雨が降れば泥詰まりもあったでしょうが、
カンチブレーキであればその心配が軽減されます。
そういう時代の自転車を強く意識してあれば、
ブレーキにカンチレバーを採用しているのも頷けます。
そういえば、RSPはシフトレバーがWレバーでしたが、
このあたりもランドナー時台を意識しているのが感じられますね。
もし制動力に満足できなかったら、
Vブレーキに交換しましょう。
Vブレーキとカンチブレーキはフレームに必要な台座が共通なので、
交換が可能です。
Vはカンチどころかキャリパーブレーキよりも制動力が強いです。
ただし、ブレーキレバーBL-R400はロードの引き量なので、
そのままではVブレーキを使えません。
Vの引き量に対応したブレーキレバーにする必要があります。
例えばダイアコンペ 287Vですね。
この場合、ブレーキ本体とブレーキレバーを交換しないといけなくなるので大変です。
Vよりは少し制動力が劣りますが、
BL-R400でも引けるミニVブレーキにするのも1つの手です。
ミニVは腐ってもVブレーキで、十分な制動力があります。
Vは構造的に強い制動力が得られるので、
テクトロなどの安いVブレーキでも強い制動力が得られますね。
違いは調整のしやすさとか見た目とか重さとか。
ただしミニVはあまりにも太いタイヤは履けないので
その点は注意が必要です。
注意点はもう一つ。
シマノもコンパクトVブレーキを出していますが、
STIには非対応と言っています。
私はSTIでミニVを使ったことがあり、特に問題を感じませんでしたが、
非推奨であることを理解しておきましょう。
ちなみに、ロードキャリパーブレーキのRSCにカンチやVブレーキは取り付けられないですし、
逆にRSPにキャリパーブレーキは取り付けられません。
チェーンを忘れてました。
RSCは5800系105のチェーンであるCN-HG600-11ですし、
RSPは8速対応のクラリス系チェーンであるCN-HG40ですので、
特に気にすることはありませんし、
全く文句ありません。
次回はホイール編です。
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主にRSCとRSPのギア比の考察をしました。
今回はペダルとブレーキ編です。
Raleigh RSCとRSPは、
今回のペダルとブレーキ編に最大の特徴が現れています。
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パーツリスト | ||
パーツリストを再掲しておきます。
name | RSC RSW Carlton | RSP RSW Special |
---|---|---|
color | スチールグレー | グロスブラック クイーンズアイボリー |
Size | 460mm 520mm | 440mm 520mm |
Frame | REYNOLDS 520 Mid-size D.B. TIG Welding | Cr-Mo Std-size D.B. TIG Welding |
Fork | Carbon Aero Blades | Cr-Mo w/Investment-cast Crown |
Headset | FSA INTELLASET 1-1/8” AHEAD w/5,10,10,15mm Spacers | TH-1150 1” Threaded w/20mm Spacer |
BB set | BB-UN26 110mm-68mm | BB-UN26 110mm-68mm |
Handle Bar | JD Shallow-Drop 400mm Φ31.8 | HL DR-AL-10 Maes-Drop 410mm Φ25.4 |
Handle Stem | KALLOY AS-21 -17° 100mm | HL HE-C80D-2 100mm -17° 150mmQuill |
Bar-tape/Grips | Diamond-pattern | PU Brown w/Alloy Caps |
Shifter | ST-5800 11 speed | SL-R400 8 speed |
Rear Derailleur | RD-5800-SS | RD-2400-SS |
Front Derailleur | FD-5800 (105) 28.6mm 11speed | FD-2400 (バンド式31.8mm) |
Chainwheel | スギノ RD 5000D SQ (56x42T) 165mm (460) 170mm (520) Large Gear Special Minivelo-Road Spec (リンク先はRD2) | スギノ RD 5000D SQ 170mm (52x39T)リンク先はRD2 |
Gear | CS-5800 (105) 11speed 11-28 | CS-HG50-8 11-28 (CLARIS) 8 speed |
Chain | CN-HG600-11 (105) 11speed | CN-HG40 |
pedals | - | Wellgo LU-962 |
Brakes | BR-5800 (105) | BR-CX50 |
Levers | 兼用レバー (shifterを参照) | BL-R400 |
Front Hub | HB-5800 (105) 32H | HB-2400 (CLARIS) 32H |
Rear Hub | FH-5800 (105) 32H | FH-2400 (CLARIS) 32H |
Spokes | 14G Stainless | 14G Stainless |
Rims | ALEXRIMS R-390 32H silver (リンク先はblack) | ALEX VP-15F 20” ETRTO-451 Polish Silver 32H |
Tires | KENDA 20×1 KONTENDER | DURO 20×1-3/8 Skinside F/V |
Saddle | VELO Racing CrN/Ti Rail RALEIGH-spec | VELO Brown/Beige CITY RALEIGH-spec |
Post | KALLOY SP-373 27.2×350 | KALLOY SP-373 27.2×300 |
Madguards | 無し | Raleigh original British-style Alloy Anodized w/adjustable stays |
Weight | 9.2kg | 11.0kg (11.4kg) |
まずはペダルから。
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ペダル | ||
と言っても、RSCに関して言えばペダルが付属しません。
これは一部の安いものを除いたロードバイクやMTBの売り方です。
ロードの場合は、ペダルは自分にあったものを使いたいという要求が大きいためですね。
シマノのSPD--SL、タイム、LOOK、SPEEDPLAY・・・
ロード用のビンディングシステムは好みが分かれるため、
ペダルは自分の好きなものを使ってね、ということになっています。
MTBはほとんどシマノ一色かと思いますが、
タイムもありますし、
ロードと同様の理由で付属していないのでしょう。
ミニベロの場合、ほとんどはフラットペダル(通称フラペ)がついていますし、
大抵の場合はビンディングを使わないでしょう。
そのため、定価13.5万円のGIOSのPANTOですらペダルが付属します。
そんな中、Raleigh RSCはペダルを付属させませんでした。
これは完全に、
「ビンディングペダルを使用しますよね?」
というメッセージに他なりません。
もちろんフラットペダルを使っても問題ないのですが、
ここはRaleighからのメッセージを汲み取って、
ビンディングにしたいところです。
RSPはWellgo LU-962というフラットペダルが付属します。
スポーティに乗りこなすことも出来ますが、
のんびり乗ってもいいですよ、というメッセージかと。
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ブレーキ | ||
次にブレーキですが、ここも大きく差異があります。
RSCのコンポは、基本的に5800系105ですので、
ブレーキも当然5800系105のBR-5800が採用されています。
・・・勢いで当然と書いてしまいましたが、
ロード完成車市場ではあまり当然でもないんですよね。
「コンポは105を採用!!」
とか謳っている完成車でも、
よく見るとブレーキがテクトロ社製だったり、
他にもクランクがFSAだったりします。
これらはどちらも性能面から選ばれたわけではなく、
単純にコストダウンでしかありません。
クランクはフロント変速が少しもたつくのを我慢すればまだいいですが、
ブレーキはそうもいきません。
安全装置ですからね。
ブレーキでコストダウンするのは最低の愚策と言っていいでしょう。
そういうメーカーは、一部だけ豪華なパーツを使っていたりするのです。
見栄えのいいリアディレーラー、
どうしても目立つデュアルコントロールレバー、
無駄にカーボン(芯はアルミ)のハンドルとステム・・・
ブレーキがシマノ製(カンパ・SRAMならそれに合わせて)であるかどうかが、
そのメーカーの姿勢を量るひとつの目安になります。
BR-5800採用のRaleigh RSCには拍手を送りたいです。
さて、次にRSP。
こちらはなんと、BR-CX50です。
CXと名づけられていることからも分かるように、
BR-CX50はシクロクロス寄りのパーツで、
カンチレバーと呼ばれるブレーキ。
キャリパーブレーキと呼ばれるタイプのBR-5800に比べ、
・制動力が弱め
・泥詰まりしにくい
・太いタイヤを履ける
という特徴があります。
制動力が弱いという最大の弱点があるので、
あまりオススメではないブレーキですが、
RSPがのんびりポタリング向けと言うことを強く意識された完成車であることを考えると、
BR-CX50の制動力で大丈夫と考えたのでしょう。
そういう検討がなされたと信じたいです。
下2つの特徴はどちらもメリットですね。
どちらもシクロクロス系では重要な要因ですが、
日本の道路事情ではあまり効果はないでしょう。
あとで比較するタイヤ編でもわかりますが、
実はRSCよりもRSPのタイヤの方が細いです。
なので太いタイヤを履けるというメリットで採用しているわけでは無さそう。※
そもそも、太すぎるタイヤにはあまり良いところないですからね。
重くなるだけですから。
乗り心地は空気圧管理で行なうべきです。
太すぎるタイヤで、
「歩道の段差を乗り越えやすい」
とか言い出したら、歩道走行が推奨されているような錯覚を与えてしまいます。
「自転車は車道」
忘れてはいけない基本ルールです。
※2015/8/13修正
勘違いしていました。
RSCが1インチでRSPが1-3/8インチなので、
RSPの方が太いですね。
それもかなり太い。
ということは、カンチ採用の理由は乗り心地向上などの為に
太いタイヤを採用したかったからかも。
さて、ではなぜBR-CX50が採用されているかというと、
これは単に見た目で選択されたのではないかと思うのです。
どうもRSCはロードを意識した部品選び、
RSPはスポルティーフやランドナーを意識した部品選びがなされているように思います。
ランドナーやスポルティーフ、果てはキャンピングなどが流行ったころは、
舗装されていない道も自転車で走り続けていたのです。
雨が降れば泥詰まりもあったでしょうが、
カンチブレーキであればその心配が軽減されます。
そういう時代の自転車を強く意識してあれば、
ブレーキにカンチレバーを採用しているのも頷けます。
そういえば、RSPはシフトレバーがWレバーでしたが、
このあたりもランドナー時台を意識しているのが感じられますね。
もし制動力に満足できなかったら、
Vブレーキに交換しましょう。
Vブレーキとカンチブレーキはフレームに必要な台座が共通なので、
交換が可能です。
Vはカンチどころかキャリパーブレーキよりも制動力が強いです。
ただし、ブレーキレバーBL-R400はロードの引き量なので、
そのままではVブレーキを使えません。
Vの引き量に対応したブレーキレバーにする必要があります。
例えばダイアコンペ 287Vですね。
この場合、ブレーキ本体とブレーキレバーを交換しないといけなくなるので大変です。
Vよりは少し制動力が劣りますが、
BL-R400でも引けるミニVブレーキにするのも1つの手です。
ミニVは腐ってもVブレーキで、十分な制動力があります。
Vは構造的に強い制動力が得られるので、
テクトロなどの安いVブレーキでも強い制動力が得られますね。
違いは調整のしやすさとか見た目とか重さとか。
ただしミニVはあまりにも太いタイヤは履けないので
その点は注意が必要です。
注意点はもう一つ。
シマノもコンパクトVブレーキを出していますが、
STIには非対応と言っています。
私はSTIでミニVを使ったことがあり、特に問題を感じませんでしたが、
非推奨であることを理解しておきましょう。
ちなみに、ロードキャリパーブレーキのRSCにカンチやVブレーキは取り付けられないですし、
逆にRSPにキャリパーブレーキは取り付けられません。
|
||
チェーン | ||
チェーンを忘れてました。
RSCは5800系105のチェーンであるCN-HG600-11ですし、
RSPは8速対応のクラリス系チェーンであるCN-HG40ですので、
特に気にすることはありませんし、
全く文句ありません。
次回はホイール編です。
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