RALEIGH ミニベロ2015 考察5 クランクとスプロケット編 [ミニベロ考察]
Raleighミニベロの考察シリーズが中断していたのでその続き。
そろそろ2016モデルが発表・発売されるんじゃないかとひやひやしています。
前回はシフター(ブレーキレバー)とリアディレイラー編でしたが、
今回はフロントクランク編です。
パーツリストを再掲しておきます。
フロントクランクはRSCとRSPは基本的には同じものですが、
微妙に歯数とクランク長が異なりますね。
フロントクランクの本体は、スギノのRD 5000D SQです。
スギノはクランクメーカーとしては老舗ですが、
ときどき左右バランスが崩れているクランクを作ったりするので安心は出来ません。
左右バランス(Qファクターが左右で異なる)のはRD系ではなかったと思いますが。
SQはSquare、つまり四角軸のこと。
ハンドル周りとBB編で、BBがRSC・RSP共通でBB-UN26 110mm-68mmであることは既に書いた通りですが、
スギノクランクでシマノBBを使っているんですよね。
普通はスギノクランクを使っていれば、
たとえ規格が同じとは言え他社製は使わないものです。
BBとクランクのメーカーは統一されていることが多いですが、
Raleighはなぜかシマノとスギノの混成。
生産時のばらつきで組合せ的に問題が発生することなどを恐れて、
クランクとBBなどのような密着系パーツは同じメーカーにしそうなところです。
それだけ、少しでも安く仕入れられるものを探したのか、
単にスギノのBBに自信がなかったのか。
RSCとRSPでの違いの1つはクランク長です。
RSCはサイズに拠ってクランク長も替えるという細かい気遣いがありますが、
RSPでは170mmに統一してあります。
どうせ統一するなら、全体的にサイズの小さめなRSPは165mmに統一した方がよさそうですが、
最もありふれたクランク長が170mmなので仕方ないかもしれません。
むしろこの(安い)値段のミニベロで、
フレームサイズによってクランク長を替えて来たRSCを褒めるべきだと思います。
クランクは自転車部品の中でも結構高い方の部類なので、
サイズを適正に選んであるのはかなり嬉しい処置だと思います。
次にチェーンリング。
RSCが56/42で、RSPが52/39となっています。
RSCの方が脚力のある方向け、
RSPはのんびり乗りたい人向け、というギアになっています。
ギア比はカセットスプロケットの歯数も関係して来るので、
詳しくは次のスプロケの方で詳しく解説します。
RSCのチェーンリングは
"Large Gear Special Minivelo-Road Spec"
となっているので、スギノに特注したのでしょう。
RaleighのRSCに対するこだわりがここにも感じられます。
さてというわけでカセットスプロケットです。
RSCは105グレードのCS-5800で歯数は11-28。
全て記載すると、11-12-13-14-15-17-19-21-23-25-28の11速です。
対してRSPはクラリスグレードのCS-HG50-8で歯数はこちらも11-28。
ただし、歯のバリエーションは8即なので少なめで、
11-13-15-17-19-21-24-28となります。
どちらも11-28なので、最大・最小は同じですが、
その間の間隔が広いか狭いかの違いになります。
隣り合うギアが近いものをクロースレシオ(close ratio)、
広いものをワイドレシオ(wide ratio)と言いますが、
RSCがクロースレシオ寄りでRSPがワイドレシオ寄りということになります。
ただし、11-23の11速とかいう超クロースレシオのスプロケもあったりしますので、
11-28はあまりクロースレシオとは言わないですね。
クロースレシオの利点は、
細かいギアチェンジにより、
同じ負荷で同じケイデンスを保ちやすいこと。
ケイデンス一定でギアを替えるので、
もちろん速度は一定ではありませんが、
負荷、つまり踏んでいる力を一定に出来ます。
ロードなどに乗っている人は分かると思いますが、
いかに負荷(というかパワー)を一定にするかが
もっとも長時間疲れないように乗ることが出来るかにつながるわけです。
ギアが細かくなればなるほど、
パワーを一定に保ちやすくなるのです。
最大・最小のギアが同じでも、
8速と11速では雲泥の差。
ただしそれはロードのように真剣に乗っているときのお話。
RSPが目指しているであろうのんびりサイクリングのような用途では、
最大と最小の間にある程度のギア選択肢があれば事足ります。
RSPは8速ですが、特に問題にならないでしょう。
ただし、フロントチェーンリング歯数が異なるので、
同じ速度とはなりません。
ケイデンスを90とすると、
アウタートップ(ギア比最大)でRSCは44km/h、RSPは41km/h。
インナーロー(ギア比最小)でRSCは13km/h、RSPは12km/h。
44km/hと41km/hの差は大きいように感じるかもしれませんが、
ミニベロで40km/hを超えることはほとんどありません。
超えるとしたら下り坂ですが、
そのときはペダルを回していることは少ないと思いますので、
ギア比はあまり関係ないです。
平地で40km/hを出せる脚力がある人だけ心配すれば良いでしょう。
ちなみに、700cで換算すると、
ケイデンス90、フロント50Tとして、
リア13Tのときに43.6km/hでRSCの最大ギアに近く、
リア14Tのときに40.5kmh/でRSPの最大ギアに近くなります。
逆に、インナーローの13km/hと12km/hは1km/hしか違わないですが、
体感的にはかなり違います。
こんな速度で走るときって言うのは大抵上りですよね。
700cのロードで言えばインナー34Tでひいひい言いながら上っているときです。
リア30Tのときに13km/h、リア32Tのときに12km/hとなるのです。
30Tと32Tでは0.5速から1速くらい違う印象なので、
RSCとRSPの最小ギアもそのくらい違うというわけです。
この差はなかなか大きいですが、
これも脚力と自分の走るコースに合わせるべきもの。
どちらがいいかは一概には言えませんが、
RSC・RSPがそれぞれ本格派のRSC・のんびりのRSPとすると、
大体その性格に合ったギア比になっていると思います。
次回はペダルとブレーキを見てみます。
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そろそろ2016モデルが発表・発売されるんじゃないかとひやひやしています。
前回はシフター(ブレーキレバー)とリアディレイラー編でしたが、
今回はフロントクランク編です。
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パーツリスト | ||
パーツリストを再掲しておきます。
name | RSC RSW Carlton | RSP RSW Special |
---|---|---|
color | スチールグレー | グロスブラック クイーンズアイボリー |
Size | 460mm 520mm | 440mm 520mm |
Frame | REYNOLDS 520 Mid-size D.B. TIG Welding | Cr-Mo Std-size D.B. TIG Welding |
Fork | Carbon Aero Blades | Cr-Mo w/Investment-cast Crown |
Headset | FSA INTELLASET 1-1/8” AHEAD w/5,10,10,15mm Spacers | TH-1150 1” Threaded w/20mm Spacer |
BB set | BB-UN26 110mm-68mm | BB-UN26 110mm-68mm |
Handle Bar | JD Shallow-Drop 400mm Φ31.8 | HL DR-AL-10 Maes-Drop 410mm Φ25.4 |
Handle Stem | KALLOY AS-21 -17° 100mm | HL HE-C80D-2 100mm -17° 150mmQuill |
Bar-tape/Grips | Diamond-pattern | PU Brown w/Alloy Caps |
Shifter | ST-5800 11 speed | SL-R400 8 speed |
Rear Derailleur | RD-5800-SS | RD-2400-SS |
Front Derailleur | FD-5800 (105) 28.6mm 11speed | FD-2400 (バンド式31.8mm) |
Chainwheel | スギノ RD 5000D SQ (56x42T) 165mm (460) 170mm (520) Large Gear Special Minivelo-Road Spec (リンク先はRD2) | スギノ RD 5000D SQ 170mm (52x39T)リンク先はRD2 |
Gear | CS-5800 (105) 11speed 11-28 | CS-HG50-8 11-28 (CLARIS) 8 speed |
Chain | CN-HG600-11 (105) 11speed | CN-HG40 |
pedals | - | Wellgo LU-962 |
Brakes | BR-5800 (105) | BR-CX50 |
Levers | 兼用レバー (shifterを参照) | BL-R400 |
Front Hub | HB-5800 (105) 32H | HB-2400 (CLARIS) 32H |
Rear Hub | FH-5800 (105) 32H | FH-2400 (CLARIS) 32H |
Spokes | 14G Stainless | 14G Stainless |
Rims | ALEXRIMS R-390 32H silver (リンク先はblack) | ALEX VP-15F 20” ETRTO-451 Polish Silver 32H |
Tires | KENDA 20×1 KONTENDER | DURO 20×1-3/8 Skinside F/V |
Saddle | VELO Racing CrN/Ti Rail RALEIGH-spec | VELO Brown/Beige CITY RALEIGH-spec |
Post | KALLOY SP-373 27.2×350 | KALLOY SP-373 27.2×300 |
Madguards | 無し | Raleigh original British-style Alloy Anodized w/adjustable stays |
Weight | 9.2kg | 11.0kg (11.4kg) |
フロントクランクはRSCとRSPは基本的には同じものですが、
微妙に歯数とクランク長が異なりますね。
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フロントクランク | ||
フロントクランクの本体は、スギノのRD 5000D SQです。
スギノはクランクメーカーとしては老舗ですが、
ときどき左右バランスが崩れているクランクを作ったりするので安心は出来ません。
左右バランス(Qファクターが左右で異なる)のはRD系ではなかったと思いますが。
SQはSquare、つまり四角軸のこと。
ハンドル周りとBB編で、BBがRSC・RSP共通でBB-UN26 110mm-68mmであることは既に書いた通りですが、
スギノクランクでシマノBBを使っているんですよね。
普通はスギノクランクを使っていれば、
たとえ規格が同じとは言え他社製は使わないものです。
BBとクランクのメーカーは統一されていることが多いですが、
Raleighはなぜかシマノとスギノの混成。
生産時のばらつきで組合せ的に問題が発生することなどを恐れて、
クランクとBBなどのような密着系パーツは同じメーカーにしそうなところです。
それだけ、少しでも安く仕入れられるものを探したのか、
単にスギノのBBに自信がなかったのか。
RSCとRSPでの違いの1つはクランク長です。
RSCはサイズに拠ってクランク長も替えるという細かい気遣いがありますが、
RSPでは170mmに統一してあります。
どうせ統一するなら、全体的にサイズの小さめなRSPは165mmに統一した方がよさそうですが、
最もありふれたクランク長が170mmなので仕方ないかもしれません。
むしろこの(安い)値段のミニベロで、
フレームサイズによってクランク長を替えて来たRSCを褒めるべきだと思います。
クランクは自転車部品の中でも結構高い方の部類なので、
サイズを適正に選んであるのはかなり嬉しい処置だと思います。
次にチェーンリング。
RSCが56/42で、RSPが52/39となっています。
RSCの方が脚力のある方向け、
RSPはのんびり乗りたい人向け、というギアになっています。
ギア比はカセットスプロケットの歯数も関係して来るので、
詳しくは次のスプロケの方で詳しく解説します。
RSCのチェーンリングは
"Large Gear Special Minivelo-Road Spec"
となっているので、スギノに特注したのでしょう。
RaleighのRSCに対するこだわりがここにも感じられます。
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カセットスプロケット | ||
さてというわけでカセットスプロケットです。
RSCは105グレードのCS-5800で歯数は11-28。
全て記載すると、11-12-13-14-15-17-19-21-23-25-28の11速です。
対してRSPはクラリスグレードのCS-HG50-8で歯数はこちらも11-28。
ただし、歯のバリエーションは8即なので少なめで、
11-13-15-17-19-21-24-28となります。
どちらも11-28なので、最大・最小は同じですが、
その間の間隔が広いか狭いかの違いになります。
隣り合うギアが近いものをクロースレシオ(close ratio)、
広いものをワイドレシオ(wide ratio)と言いますが、
RSCがクロースレシオ寄りでRSPがワイドレシオ寄りということになります。
ただし、11-23の11速とかいう超クロースレシオのスプロケもあったりしますので、
11-28はあまりクロースレシオとは言わないですね。
クロースレシオの利点は、
細かいギアチェンジにより、
同じ負荷で同じケイデンスを保ちやすいこと。
ケイデンス一定でギアを替えるので、
もちろん速度は一定ではありませんが、
負荷、つまり踏んでいる力を一定に出来ます。
ロードなどに乗っている人は分かると思いますが、
いかに負荷(というかパワー)を一定にするかが
もっとも長時間疲れないように乗ることが出来るかにつながるわけです。
ギアが細かくなればなるほど、
パワーを一定に保ちやすくなるのです。
最大・最小のギアが同じでも、
8速と11速では雲泥の差。
ただしそれはロードのように真剣に乗っているときのお話。
RSPが目指しているであろうのんびりサイクリングのような用途では、
最大と最小の間にある程度のギア選択肢があれば事足ります。
RSPは8速ですが、特に問題にならないでしょう。
ただし、フロントチェーンリング歯数が異なるので、
同じ速度とはなりません。
ケイデンスを90とすると、
アウタートップ(ギア比最大)でRSCは44km/h、RSPは41km/h。
インナーロー(ギア比最小)でRSCは13km/h、RSPは12km/h。
44km/hと41km/hの差は大きいように感じるかもしれませんが、
ミニベロで40km/hを超えることはほとんどありません。
超えるとしたら下り坂ですが、
そのときはペダルを回していることは少ないと思いますので、
ギア比はあまり関係ないです。
平地で40km/hを出せる脚力がある人だけ心配すれば良いでしょう。
ちなみに、700cで換算すると、
ケイデンス90、フロント50Tとして、
リア13Tのときに43.6km/hでRSCの最大ギアに近く、
リア14Tのときに40.5kmh/でRSPの最大ギアに近くなります。
逆に、インナーローの13km/hと12km/hは1km/hしか違わないですが、
体感的にはかなり違います。
こんな速度で走るときって言うのは大抵上りですよね。
700cのロードで言えばインナー34Tでひいひい言いながら上っているときです。
リア30Tのときに13km/h、リア32Tのときに12km/hとなるのです。
30Tと32Tでは0.5速から1速くらい違う印象なので、
RSCとRSPの最小ギアもそのくらい違うというわけです。
この差はなかなか大きいですが、
これも脚力と自分の走るコースに合わせるべきもの。
どちらがいいかは一概には言えませんが、
RSC・RSPがそれぞれ本格派のRSC・のんびりのRSPとすると、
大体その性格に合ったギア比になっていると思います。
次回はペダルとブレーキを見てみます。
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