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GIOS ミニベロ2014 考察 5 [ミニベロ考察]

GIOSミニベロ考察シリーズの第5回は、
部品詳細編の続きです。

今回はコンポーネントと呼ばれる、
駆動系の中編です。

前後変速機の説明を作っていると、
なんだか長くなってしまったので、
シフター以降は後編にまわします。

さて、いつものようにパーツリストから。
speed2x10速2x9速2x8速1x8速
frame4130 Cr-MoSteel Frame
forkCARBON FORK 1” JISCR-MO FORK 1” JIS
head partsPT-1202 1”
ハンドルドロップ φ26.0フラット φ26.0ドロップ φ26.0ドロップ φ26.0フラット φ26.0フラット φ26.0
stem80mm90mm80mm80mm90mm90mm
B.B.
TH-7420 JIS
brake
TEKTRO 510ATEKTRO 340TEKTRO 510
crank

52/39 165mm
SUGINO
RD-500D 53/39T 165mm
SOLID-320_64x64.jpg
PROWHEEL SOLID-320 52/42T 165mm
SOLID-248PP-1_64x64.jpg
PROWHEEL SO-248PP 165mm
chain
FD
--
RD

shimano-2300-rd-2300-ss_64x64.jpgRD-2300-SS
シフタ
※※
CS
12-25T
12-23T
12-23T
12-23T
CSM668AS 11-28T
wheel
(451) 32H
F.hubRB-91F 32H
R.hubRB-35R 32H
tire
20×1 (451)
20×1-1/8
サドルGIOS ORIGINAL
seat postGIOS ORIGINAL φ27.2
pedal

基本的にGIOSの代理店(JOB International)からコピーしてきていますが、
以下の2箇所は独断で変更しています。
RD-4600-SSはもうなかなか入手できないので、
RD-4601-SSを併記しています。
というか本当にRD-4600-SSなのだろうか・・・・。
※※ 代理店サイトではST-4600となっていますが、
フラットバーの自転車にSTIはありえません。
おそらくSL-4600(ラピッドファイヤ)の誤植だと思われます。


(10) FD (フロントディレイラー)
フロントディレイラーは、ENRICOMIGNONにはありません。
変速はリアだけということですね。
ミニベロのゆったりした速度域では、
フロント変速が必要なほど広い変速範囲は不要だと判断されたのでしょう。
特にENRICOMIGNONのような
比較的安いミニベロ購入層ならなおさらです。
また、FDをなくすことによる低価格化にも少しは寄与していることでしょう。

ではフロントディレイラーのスペックも見てみます。
FD-4600 FD-3500 FD-2400
speed 10speed 9speed 8speed
対応トップギア 50-56T 46-52T
キャパシティ 16T

「対応トップギア」は、フロントアウターチェーンリングの歯数です。
ここに書いてある歯数範囲内にする必要があります。
低ギア比を狙って、フロントを50T未満にするのが流行っていますが、
その場合、FD-3500FD-2400の方が都合がいいです。
ミニベロではむしろ高ギア比にしたいことが多いので、
FD-4600で全く問題ありませんが。

キャパシティは、フロントギアの歯数差の最大許容値です。
ギア歯数差が大きいのはコンパクト系ですが、
それでも50/34Tで16T差が最大なので、
FDが16T差に対応している現在では
キャパシティを確認する必要性はほぼないです。

もう一つ、フロントディレイラーは羽の間隔がリアの段数設定によって異なります。
TIAGRA(10speed)、SORA(9speed)、CLARIS(8speed)の場合、
TIAGRA・SORA・CLARISの順にチェーンが太くなり、
それに応じてFDの羽の間隔も広くなっています。
そのため、例えばFD-4600に8速チェーンを使うと
アウタートップやインナーローに近い組み合わせのときに
チェーンが羽に擦れることが多くなります。
逆に、FD-2400に10速チェーンを使うと、
フロントディレイラーの稼動範囲で変速しきれないこともありえます。
リアの段数とフロント段数は一見関係なさそうですが、
意外と揃えておいた方がよい結果になるのです。


(11) RD (リアディレイラー)
ではそれぞれのリアディレイラーについて詳しく見てみましょう。
ビアンキミニベロのリアディレイラーについて書いたエントリーの改版版なので、
ほぼ同じ表現です(FDもですが)。

まず、採用されているRDのスペックを表にしてみました。
PANTO
LAMPO
FELUCA ANTICO ENRICO MIGNON
shimano-2300-rd-2300-ss_64x64.jpg
RD-2300-SS
ローギア
対応
対応最大 30T 32T 32T 26T 34T
対応最小 25T 25T 25T 21T
トップギア
対応
対応最大 14T 14T 13 13T
対応最小 11T 11T 11T 12T 11T
フロント・ギア歯数差 16T 16T 16T 22T※ 20T
トータル
キャパシティー
34T 37T 37T 35T 43T
RD-4600とRD-4601のスペックはほぼ同じです。
※RD-2300-SSのフロントギア歯数差22Tは、
フロントトリプルのときの仕様だと思うのですが、
ダブルのときの仕様が見つかりませんでした・・・
おそらく16Tだとは思うのですが。


それぞれの意味について。

ギアの最大最小は、それぞれのディレイラーがどこまで動けるか、です。
最大以上(最小以下)の歯数ではディレイラーはうまく動きません。
トップ側の最大最小は、あまり見る必要はありません。
なぜならほとんどのディレイラーが11~13Tには対応しており、
ほとんどのスプロケのトップは11Tか12Tだからです。
昔のジュニアスプロケなどを使用したい人は気をつけなければなりませんが、
ジュニアスプロケ自体が最近売られていないので・・・。

おっと、ENRICOのRD-2300は
最小トップギアが12Tですね。
9速化・10速化するときにRDは変更不要なのですが、
スプロケ交換する人は注意が必要です。
最近は11Tトップのスプロケが多いので。


ローギア最小も、あまり見る必要は無いでしょう。
最近のほとんどのスプロケのローギアは25T以上あるからです。
ロードレースに出場するような人で、
しかも平坦なコースのときに11-23を使うことがあるくらいです。
(実は、ミニベロだからこそ11-23を使うといいこともありますが)

ローギア最大は、少し注意しておく必要があります。
ヒルクライムをする方は多いと思いますが、
より軽いギア比が欲しくなることは多々あります。
そのとき、どこまで低ギア(リアなら、より大きなギア)をつけられるか、
ということはリアディレイラーで決まるのです。
まあ、小径車の時点で相当な低ギア比になっているので、
ビアンキミニベロ検討時にあまり見ることは無いかもしれません。

次に、リアディレイラーは変速機能もありますが、
もう一つ、チェーンのたるみをとる役目を担っています。
どこまでたるみを取れるかが、
「フロント・ギア歯数差」と「トータル・キャパシティ」です。
フロントギア歯数差は、文字通り、フロントチェーンリングの
アウターリング・インナーリングの歯数の差です。
コンパクトクランクの場合は大抵50T/34Tがついていると思いますので、
50T - 34T = 16T
となります。
最近のリアディレイラーのフロント歯数差は大抵16tなので、
ここもあまり意識する必要はありません。
RD-2300-SSが突出した値になっていますが、
おそらくフロントをトリプルにしたときの仕様だと思います。

RD-M310は、元々MTB系コンポなので、
20Tと大きな数字になっているのは不思議ではありません。
とはいえ、これもトリプルの仕様だと思いますが・・・。

どちらにしろ、前述の通り16Tあればほとんどの場合で困ることはありません。


もう一つのトータルキャパシティ、これは大変重要です。
これを守らないと、リアディレイラーの破損、
ひどいときにはリアエンド(ディレイラーをつけている台座)などの破損につながります。
トータルキャパシティは、
「装着している」カセットスプロケットのローギアとトップギアの歯数差に、
「装着している」チェーンリングのフロントギア歯数差を足した数字の最大許容値です。

分かりにくいので、例をひとつ。
フロントに50T/36Tのクランク、スプロケに11-32を使用している場合

(50 - 36) + (32 - 11) = 35

これが、リアディレイラーのトータル・キャパシティ以下である必要があるということです。
今回の例だと、キャパシティ34TのRD-4601は使えません。
RD-2400RD-TX35は使用できます。

最後に、スラント角という要素があります。
リアディレイラーが変速時にどのような角度でずれていくかを表しており、
これが大きいほどスプロケとの距離が離れる方向なので、
変速に(非常にわずかに)遅延が発生すると言われています。
これは表には載っていませんが、
ローギア最大が大きいほど、スラント角が大きいと予想できます。
今回の3つであれば、RD-4601が最も変速が早そうですね。
大抵、高級コンポであればあるほど、
低ギア比よりも変速のスムーズさを優先する傾向にあり、
スラント角も小さく作ってあります。
例えば、Dura AceのRD-9000では、リア最大28Tです。

長々と書いたものの、まあ、どれでもいいと思います。
この結論は、ビアンキミニベロ考察のときと同じだったりします。

RDは動きが独特で、つい見入ってしまうパーツですが、
技術が進みすぎていて、
シマノ製であればほとんどのRDで不都合がありません。
意外と見た目重視パーツと言っていいと思います。


長くなりすぎた変速機編はここまでで、
続きのシフター・スプロケは次回に。

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GIOSミニベロ 2014 考察シリーズ リンク
考察 1 紹介編
考察 2 車種グレード編
考察 3 部品比較part1 車体・ハンドル周り編
考察 4 部品比較part2 クランク周り・ブレーキ編
考察 5 部品比較part3 前後変速機編
考察 6 部品比較part4 シフター・スプロケ編
考察 7 ホイール・サドル周り編
考察 8 ギア比編
考察 9 まとめ編
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