RALEIGH ミニベロ2015 考察3 ハンドル周りとBB編 [ミニベロ考察]
前回からずいぶん間が空いてしまいましたが、
ラレーのミニベロ考察を続けます。
今回は、ハンドル周りとBB編です。
いつものように、ラレー・ミニベロ2015年モデルのパーツリストを作成しました。
フレームとフォークは前回すでに考察しているので、
今回はヘッドセット以降を考察してみましょう。
ヘッドセットは何がついていても、
それほど気にする必要はありません。
ステムは、RSCとRSPでは結構違いがありますね。
説明を簡単にするために、ヘッドセットより先にステムを見てみましょう。
RSCは現在のほとんどのロードバイク・MTB・シクロクロスに使われている、
アヘッドタイプ(スレッドレス)のステムです。
対してRSPはノーマルステム。
ノーマルステムは、クイルステムやスレッドステムとも呼ばれます。
ノーマルと言う名前ですが、現在はロードバイクにはほとんど使われていません。
クラシックな仕様が好まれる、ランドナーやスポルティーフなどにはよく使われていますが、
ランドナー系があまり流行っていないので、どうしても数が少ないです。
今はロードやMTBが流行の中心ですからね。
ノーマルステムの使用率はかなり低いです。
そういう試乗の都合上、交換パーツはアヘッドの方が豊富ですね。
ノーマルかアヘッドか、どちらでも選べるのなら、
私は間違いなくアヘッドにします。
もしスポルティーフを購入する場合でも、
なるべく外観を壊さないようなアヘッドステムを探したいくらい。
豊富な製品群という市場の都合は置いておいて、
それ以外のアヘッドの利点は、ステム自体の交換が簡単であり、
ハンドル交換もノーマルステムと比べると比較的容易です。※
ノーマルステムの場合、ハンドルを外すためには、
バーテープを外さなければならないのが大変なんですよね。
※・・・・と言いたいところですが、
これもアヘッドの利点というよりも、
アヘッドではこういう工夫がされていることが多いだけで、
市場の都合のようなものです。
ノーマルステムでも同じ構造に出来るはずなんですけどね。
例えば、DEDAのMUREXなどはハンドル交換しやすい構造で、
アヘッドと同様の思想を持つノーマルステムです。
ですが、同じ思想のノーマルステムはほとんどないです。
アヘッドステムのもう一つの利点は、軽量なこと。
これも構造的な利点というよりも、
軽量化を意識した製品が多いだけではないかと思います。
アヘッドステムの弱点は、高さ方向の調整が、
スペーサーの厚み単位になること。
スペーサーは0.5mmからありますが(0.3mmもあったかな?)、
自分の好みの高さにするためには0.5mm単位でしか調整できないということですし、
手持ちのスペーサーの種類と数によっては、
調整しきれないことがあるわけです。
その場合はスペーサーを買ってくればいいのですがね。
買ってくるというタイムラグや追加費用がそれなりに面倒です。
続いてヘッドセットですが、
RSCがアヘッドステム、RSPがノーマルステムなので、
ヘッドセットもそれに応じたものが使われています。
ステムから説明を始めたのはこれが理由です。
RSCのヘッドセットは、
w/5,10,10,15mm Spacers
と記載されています。
これは、ハンドルの高さを調整するスペーサーとして、
5mmが1枚、10mmが2枚、15mmが1枚の合計40mmを使っていますよ、
と言う意味。
ハンドルの高さを標準状態から40mmは下げることができます。
ハンドルを下げた場合は、
スペーサーをステムの上につけるか、
コラムカットしましょう。
カットした方が見栄えはいいですが、
後戻りできないのでよく吟味してからですね。
RSPはノーマルステムなので、
高さ調整はクイルステムのコラム側の長さが許す限り、
いくらでも租調整も微調整も出来ます。
なお、突き出しはノーマルでもアヘッドでも
ステムを交換するしかないので、
大抵の場合アヘッドの方が楽です。
もう1点、RSCは1-1/8インチ、RSPは1インチ径のヘッドチューブであることも分かります。
一般に、太い方が剛性が高いのですが、
ミニベロですし、クロモリでもありますし、
それほど気にする必要はないでしょう。
ボトムブラケットはRSC・RSP共通で
SHIMANO BB-UN26 110mm-68mm
となっています。
安心のシマノですね。
四角軸(スクウェア・テーパー)の一般的なBBです。
68-110mmというのは、軸長が110mmのBBであり、
フレームにはシェル幅68mmのBSAとしてねじ切ってありますよ
ということを表しています。
後々、現行のSORA以上のロード系コンポのクランク、
つまりホローテックIIのクランクが使いたくなっても、
フレームとしては互換性がありますから安心です。
費用さえ許されるなら、
DURA ACEだって使えてしまいます。
ハンドルは、聞いたことの無いメーカーなのでよく分かりません。
注目すべきは、クランプ径くらいでしょうか。
交換するときは、ステムのクランプ径が同じものを選ばないといけません。
RSCは31.8mmなので、最近のロードバイクで非情にポピュラーなサイズ、
RSPは25.4mmなので、これまたランドナー系のクラシカルな規格。
25.4mmでは、アナトミック型やシャロー型のものはなかなか見つからないです。
せめて26mmだったら、TNIのエルゴノミック・シャローが使えたのですが。
31.8mmは、エルゴノミック・シャローでもいいですし、
他のシャローハンドルがいくらでもありますし、
心配することはありません。
ハンドルで最も重要な、形状は写真から判断することにしましょう。
RSCとRSPの写真を見る限り、
RSCはシャローハンドル、RSPはトラディショナルな丸ハンドルです。
オススメは圧倒的にシャローハンドルです。
特に好みがないなら、
丸ハンドルとアナトミックハンドルのいいとこ取りをしたシャローが無難。
そういう意味ではRSCの方が万人受けすると思います。
ちなみに、シャローハンドルは、
コンパクトハンドルと言ったり、アナトミックシャローと言ったり、
呼称が一定ではありません。
ボントレガーならVRがシャローハンドルに近い思想を持っていますね。
バーテープは省略。
次回はコンポを見てみます。
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ラレーのミニベロ考察を続けます。
今回は、ハンドル周りとBB編です。
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パーツリスト | ||
いつものように、ラレー・ミニベロ2015年モデルのパーツリストを作成しました。
name | RSC RSW Carlton | RSP RSW Special |
---|---|---|
color | スチールグレー | グロスブラック クイーンズアイボリー |
Size | 460mm 520mm | 440mm 520mm |
Frame | REYNOLDS 520 Mid-size D.B. TIG Welding | Cr-Mo Std-size D.B. TIG Welding |
Fork | Carbon Aero Blades | Cr-Mo w/Investment-cast Crown |
Headset | FSA INTELLASET 1-1/8” AHEAD w/5,10,10,15mm Spacers | TH-1150 1” Threaded w/20mm Spacer |
BB set | BB-UN26 110mm-68mm | BB-UN26 110mm-68mm |
Handle Bar | JD Shallow-Drop 400mm Φ31.8 | HL DR-AL-10 Maes-Drop 410mm Φ25.4 |
Handle Stem | KALLOY AS-21 -17° 100mm | HL HE-C80D-2 100mm -17° 150mmQuill |
Bar-tape/Grips | Diamond-pattern | PU Brown w/Alloy Caps |
Shifter | ST-5800 11 speed | SL-R400 8 speed |
Rear Derailleur | RD-5800-SS | RD-2400-SS |
Front Derailleur | FD-5800 (105) 28.6mm 11speed | FD-2400 (バンド式31.8mm) |
Chainwheel | スギノ RD 5000D SQ (56x42T) 165mm (460) 170mm (520) Large Gear Special Minivelo-Road Spec (リンク先はRD2) | スギノ RD 5000D SQ 170mm (52x39T)リンク先はRD2 |
Gear | CS-5800 (105) 11speed 11-28 | CS-HG50-8 11-28 (CLARIS) 8 speed |
Chain | CN-HG600-11 (105) 11speed | CN-HG40 |
pedals | - | Wellgo LU-962 |
Brakes | BR-5800 (105) | BR-CX50 |
Levers | 兼用レバー (shifterを参照) | BL-R400 |
Front Hub | HB-5800 (105) 32H | HB-2400 (CLARIS) 32H |
Rear Hub | FH-5800 (105) 32H | FH-2400 (CLARIS) 32H |
Spokes | 14G Stainless | 14G Stainless |
Rims | ALEXRIMS R-390 32H silver (リンク先はblack) | ALEX VP-15F 20” ETRTO-451 Polish Silver 32H |
Tires | KENDA 20×1 KONTENDER | DURO 20×1-3/8 Skinside F/V |
Saddle | VELO Racing CrN/Ti Rail RALEIGH-spec | VELO Brown/Beige CITY RALEIGH-spec |
Post | KALLOY SP-373 27.2×350 | KALLOY SP-373 27.2×300 |
Madguards | 無し | Raleigh original British-style Alloy Anodized w/adjustable stays |
Weight | 9.2kg | 11.0kg (11.4kg) |
フレームとフォークは前回すでに考察しているので、
今回はヘッドセット以降を考察してみましょう。
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ヘッドセットとステム | ||
ヘッドセットは何がついていても、
それほど気にする必要はありません。
ステムは、RSCとRSPでは結構違いがありますね。
RSC RSW Carlton | RSP RSW Special | |
---|---|---|
Headset | FSA INTELLASET 1-1/8” AHEAD w/5,10,10,15mm Spacers |
TH-1150 1” Threaded w/20mm Spacer |
Handle Stem | KALLOY AS-21 -17° 100mm |
HL HE-C80D-2 100mm -17° 150mmQuill |
説明を簡単にするために、ヘッドセットより先にステムを見てみましょう。
RSCは現在のほとんどのロードバイク・MTB・シクロクロスに使われている、
アヘッドタイプ(スレッドレス)のステムです。
対してRSPはノーマルステム。
ノーマルステムは、クイルステムやスレッドステムとも呼ばれます。
ノーマルと言う名前ですが、現在はロードバイクにはほとんど使われていません。
クラシックな仕様が好まれる、ランドナーやスポルティーフなどにはよく使われていますが、
ランドナー系があまり流行っていないので、どうしても数が少ないです。
今はロードやMTBが流行の中心ですからね。
ノーマルステムの使用率はかなり低いです。
そういう試乗の都合上、交換パーツはアヘッドの方が豊富ですね。
ノーマルかアヘッドか、どちらでも選べるのなら、
私は間違いなくアヘッドにします。
もしスポルティーフを購入する場合でも、
なるべく外観を壊さないようなアヘッドステムを探したいくらい。
豊富な製品群という市場の都合は置いておいて、
それ以外のアヘッドの利点は、ステム自体の交換が簡単であり、
ハンドル交換もノーマルステムと比べると比較的容易です。※
ノーマルステムの場合、ハンドルを外すためには、
バーテープを外さなければならないのが大変なんですよね。
※・・・・と言いたいところですが、
これもアヘッドの利点というよりも、
アヘッドではこういう工夫がされていることが多いだけで、
市場の都合のようなものです。
ノーマルステムでも同じ構造に出来るはずなんですけどね。
例えば、DEDAのMUREXなどはハンドル交換しやすい構造で、
アヘッドと同様の思想を持つノーマルステムです。
ですが、同じ思想のノーマルステムはほとんどないです。
アヘッドステムのもう一つの利点は、軽量なこと。
これも構造的な利点というよりも、
軽量化を意識した製品が多いだけではないかと思います。
アヘッドステムの弱点は、高さ方向の調整が、
スペーサーの厚み単位になること。
スペーサーは0.5mmからありますが(0.3mmもあったかな?)、
自分の好みの高さにするためには0.5mm単位でしか調整できないということですし、
手持ちのスペーサーの種類と数によっては、
調整しきれないことがあるわけです。
その場合はスペーサーを買ってくればいいのですがね。
買ってくるというタイムラグや追加費用がそれなりに面倒です。
続いてヘッドセットですが、
RSCがアヘッドステム、RSPがノーマルステムなので、
ヘッドセットもそれに応じたものが使われています。
ステムから説明を始めたのはこれが理由です。
RSCのヘッドセットは、
w/5,10,10,15mm Spacers
と記載されています。
これは、ハンドルの高さを調整するスペーサーとして、
5mmが1枚、10mmが2枚、15mmが1枚の合計40mmを使っていますよ、
と言う意味。
ハンドルの高さを標準状態から40mmは下げることができます。
ハンドルを下げた場合は、
スペーサーをステムの上につけるか、
コラムカットしましょう。
カットした方が見栄えはいいですが、
後戻りできないのでよく吟味してからですね。
RSPはノーマルステムなので、
高さ調整はクイルステムのコラム側の長さが許す限り、
いくらでも租調整も微調整も出来ます。
なお、突き出しはノーマルでもアヘッドでも
ステムを交換するしかないので、
大抵の場合アヘッドの方が楽です。
もう1点、RSCは1-1/8インチ、RSPは1インチ径のヘッドチューブであることも分かります。
一般に、太い方が剛性が高いのですが、
ミニベロですし、クロモリでもありますし、
それほど気にする必要はないでしょう。
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Bottom Bracket | ||
ボトムブラケットはRSC・RSP共通で
SHIMANO BB-UN26 110mm-68mm
となっています。
安心のシマノですね。
四角軸(スクウェア・テーパー)の一般的なBBです。
68-110mmというのは、軸長が110mmのBBであり、
フレームにはシェル幅68mmのBSAとしてねじ切ってありますよ
ということを表しています。
後々、現行のSORA以上のロード系コンポのクランク、
つまりホローテックIIのクランクが使いたくなっても、
フレームとしては互換性がありますから安心です。
費用さえ許されるなら、
DURA ACEだって使えてしまいます。
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ハンドル | ||
ハンドルは、聞いたことの無いメーカーなのでよく分かりません。
RSC RSW Carlton | RSP RSW Special |
---|---|
JD Shallow-Drop 400mm Φ31.8 | HL DR-AL-10 Maes-Drop 410mm Φ25.4 |
注目すべきは、クランプ径くらいでしょうか。
交換するときは、ステムのクランプ径が同じものを選ばないといけません。
RSCは31.8mmなので、最近のロードバイクで非情にポピュラーなサイズ、
RSPは25.4mmなので、これまたランドナー系のクラシカルな規格。
25.4mmでは、アナトミック型やシャロー型のものはなかなか見つからないです。
せめて26mmだったら、TNIのエルゴノミック・シャローが使えたのですが。
31.8mmは、エルゴノミック・シャローでもいいですし、
他のシャローハンドルがいくらでもありますし、
心配することはありません。
ハンドルで最も重要な、形状は写真から判断することにしましょう。
RSC RSW Carlton 2015 |
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---|---|
RSP RSW Special 2015 |
RSCとRSPの写真を見る限り、
RSCはシャローハンドル、RSPはトラディショナルな丸ハンドルです。
オススメは圧倒的にシャローハンドルです。
特に好みがないなら、
丸ハンドルとアナトミックハンドルのいいとこ取りをしたシャローが無難。
そういう意味ではRSCの方が万人受けすると思います。
ちなみに、シャローハンドルは、
コンパクトハンドルと言ったり、アナトミックシャローと言ったり、
呼称が一定ではありません。
ボントレガーならVRがシャローハンドルに近い思想を持っていますね。
バーテープは省略。
次回はコンポを見てみます。
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