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北海道ポタ 稚内to日の出岬 その3 [ポタリングレポート]

前回はオホーツクラインの南下。
何kmもある直線道路に四苦八苦しながらも、
牛に癒されつつなんとは走り続けています。

今回も南下を続けます。


自然の成り行き

何kmも続く直線道路は、景色としては壮大なものがありますが、
実際に走ってみると景色変わりの無い、退屈な道ともいえますね。
これが無風や追い風だったら気持ちよく走れたのかもしれませんが、
強い向かい風で楽しくも何ともなく、
本当にこんなに苦痛だとは思いませんでした。



浜頓別町


浜頓別町の市街地に入って、
国道238号沿いに信号を左左折するとセイコーマートがありました。
補給は忘れず、出来るところで確実に。

次の街は枝幸で焼く30km先です。
ここも普段なら丁度良い距離ですが、
向かい風の強いこの日はかなり長く感じますね。



かなり落ち込んでいたのか、
アクションカムのスタートボタンを押し忘れていたようで、
しばらく写真がありません。



セイコーマートから少しだけ、真東に向かって走る区間があります。
頓別小学校の横を通る辺り。
風は南東の風だったので、少しだけ向かい風が緩みました。
それでも20km/hも出せないくらいの強風ですが、
少しだけ緩んだだけでもかなり楽になりました。

それほど向かい風が強くなっていました。
後で気象データを見てみると、
この辺りの風速は南東の風8m/s程度だったようです。

8m/sを時速に換算すると、

8m/s x 60x60 ÷ 1000 = 28.8km/h

で、なんと30km/h弱の向かい風が「平均的に」拭いていたのです。
そこに20km/hで走ろうとするなら、
相対的に50km/h程度の空気抵抗を受けるのに近くなるでしょう。
そりゃ私の貧脚では速度を保てません。


頓別小学校を過ぎてしばらくすると道路は緩く右に折れ、
海岸に沿って走り始めます。
風力発電の風車が並んでいて、
ここも風が強い場所なのでしょう。

海岸に沿っていると言うことは、道路は南東方向。
それすなわち向かい風を真正面から受ける形。
みるみる速度が落ちていって、
時速10km/hしか出せない状態になってしまいました。



・・・いや、ロードで10km/hって・・・。



いくらなんでも、さすがに心が折れました。
もう進む気になれません。

そっとペダルを止めると、
自転車は風に押されてすぐに速度を失っていきます。




風車に見守られながら足を下ろして、
私の北海道ポタリングはここで終了。
リタイヤ決定です。

183.4km中、約95km地点で気持ち的には終了です。
向かい風過ぎて楽しみが一切無さすぎて、泣きたくなりました。




後処理

で、終了とは言え、
こんな何にも無いところで泣いていても誰も助けてくれません。


結局、再び走り始めるしかないんですよね。
せめて次の枝幸町まで行くことにします。

実は、浜頓別から3kmくらいしか走ってないので、
浜頓別まで戻るのが楽だったんですよね。
でも浜頓別からここまでも向かい風のせいでかなりの時間を要し、
まさか3kmしか走ってないとは思っていませんでした。


さっきのセイコーマートから餌島では30km程度だと分かっていたので、
日が暮れるまでには枝幸には着けるでしょう。
町に着けばその後はそれから考えるってことで、
とりあえずもう一度走り始めます。

無い気力を振り絞って。



ただこの海岸沿いの道路も、
風車が無くなってからはずっと同じ景色が続くのです。

これも精神的につらい。




雪国特有の、道路の端を示す赤矢印の向こうに、
風向きと強さが分かるふき流しが見えますね。




拡大しました。
こんなに強くはためかなくてもいいのに。
精神的にやられていた私には、ふき流しの状態すら腹立たしく見えます。


しかも、遠くの方は山から出ている水蒸気で覆われて、
天気がいいんだか悪いんだか。
これもかなりの不安要因。





手前の分岐を左に進めば神威岬だったようですが、
このときの私にはそんな余裕はありません。
オホーツクラインを真っ直ぐ進んで、
オホーツクラインには珍しいトンネルを抜けます。
ここは北オホーツクトンネル。
かなり南下してきたつもりでしたが、まだ「北」オホーツクなんですね。

北オホーツクトンネルは少し上ったところにあります。
久しぶりのアップダウンがむしろ心地よい。



トンネルを抜けると、世界が変わったかのように天気が悪くなりました。

この強風の上に雨がふったらいやだなあ

なんて、雨が降らないように祈りながら走ります。
少し上っただけあって、トンネル後は少し下り。
下りなのでスピードも出やすいです。

・・・あれ?
少し風が弱まったかな。

向かい風には変わりないのですが、
少し弱まったようです。
速度が出るようになってきました。

日の出岬まで、残り80kmくらいあったので途方にくれていましたが、
枝幸までの30kmでリタイヤすると決めたのも大きいです。
現実的な終わりが見えてくれば、
そこまで頑張ればいいというゴールが分かれば、
力を出し切れるというものです。
小さな目標の積み重ねで大きなゴールを得るのと同じですね。


だからと言って、枝幸の次の町、
雄武町まで行く元気があるかというと、そうはいかない。
なぜなら、枝幸で終われるという気持ちでいるから。
最後の元気をかき集めているだけなので。
体力的な問題よりも、ほぼ精神的な問題です。


体力的にも、終わりが近ければ出し惜しみする必要も無い。
これまでは140w前後で走ろうとしても、140w出す気力すら失っていましたが、
残り30kmで終わりだと思うと出力も自然に大きくなります。
同じ140w目標で走っていても、
気付かぬうちに200w程度で走っていたり。
こういうときはやはり客観的な測定器(この場合はパワーメーター)の値で
気付かされることが多いですね。
主観的な感覚は当てになりません。




気付けば枝幸まで残り8km。

風も、明らかに弱くなってきました。
まだ弱い向かい風ですが、
走行スピードも25km/hくらいを維持できるようになってきて、かなり快適です。

やっぱり、サイクリングはこうでなくちゃいけませんね。

意識的にゆっくり走っているときはいいですが、
風や渋滞のせいでうまく走れないのは悲しくなります。



北オホーツクトンネル以降は風がかなり弱くなったのが、
走行速度維持に効いていますね。
体力的にも精神的にも助かっています。
トンネル上部にある斜内山(しゃないさん)が、
かなり風の通り道に影響していると言うことでしょう。




ただし天気はかなり悪くなります。
トンネル前まではまだ晴れ間も見えていたくらいなのですが、
トンネル以後は今にも雨が降りそうに、
一面の雲に覆われています。

いつ雨が降り出しても不思議ではないです。
それも強い雨。
天気予報でも、遅い時間は雨マークがついていましたし。


正直なところ、
リタイヤを撤回して枝幸以降も走り続ける選択肢も考えました。
このペースで走れば、
なんとか現実的な時間に到着出来そう。
一度折れた心を立て直すのはかなりの頑張りが必要そうですが、
現時点では、少しリタイヤする理由が薄くなっているのも事実なんです。


精神面を除く、枝幸以降も続行することへの懸念点は、
・ホテルの晩ご飯は間に合わないので食べられなさそう
・雨が降ったらまたペースが大きく落ちそう
・風が再び強くなる区間があるかもしれない
というリスクです。
どれも何とかなるリスクばかりですが、3つ揃うとかなり憂鬱です。

さてどうするかと考えながら、
とりあえずは枝幸町まで走るしかありません。



最終判断


枝幸町に到着しました。
ここはセイコーマート枝幸店です。

何だかんだでまだまだ明るい時間に到着していますが、
緯度の高い北海道は日没が遅いので時間の感覚がよくわかりません。
写真のタイムスタンプを見ると16:30。
ホテルのレストランは20:00 CLOSE。

到着後の処理や食事時間を道短く見積もっても、
19:30には到着しなければなりません。
あと3時間です。

残りの距離は65kmくらい。
補給時間込みの平均速度が、最低でも22km/hでなくてはなりません。
セイコーマート枝幸店での補給や途中の補給を考えると、
27~28km/hが必要でしょうか。


信号もほとんどない道なので、いつもなら余裕です。
65kmの距離なら、大体2時間程度の見積もりでいいでしょう。
但し、この日はこれまでの向かい風地獄に晒されているので、
そんな楽観的な見積もりをする気にはなれません。
すでに心が折れているときは、そういうものです。



それでもまだ一応策はあって、
次の町でもう一度考えるという決断先送りの選択肢もありました。


が、セイコーマートの店員さんに、次にある街の情報を聞いてみて、
私のリタイヤは決定しました。
次の雄武町(おうむちょう)までは、枝幸から約50km先。
残り15km地点。

それもう、ほとんどゴールしてますがな。




この先走り続けても、雄武町までの50kmの道中で、やっぱりダメだと思うかもしれません。
それからの回避策が北海道では見当たらない。
リタイヤするならせめて街中にしておきたいところ。

タクシーを呼ぶにしても、この寒い中でただじっとしているのは危険です。
バスは雄武町まで行かないとないらしい※。
鉄道は全く走ってない。
枝幸町~雄武町はかなりハイリスクな区間なのに、
一度心の折れた日に走るのは危険すぎる。
そういえば、この先は細かいアップダウンもありそうなプロファイルをしていましたし、
雨も降りそうだし、



うん、やっぱりリタイヤだな。







※後で調べてみると、札幌~枝幸間を結ぶバスはあるようです。
ですが、今回は方向が違うので関係なしです。
※さらに枝幸~雄武のバスと雄武~(沢木=日の出岬のある辺り)~紋別のバスもあるようです。


次回

結局、枝幸をリタイヤ。
札幌から枝幸までは約430km、
この日だけでも約120km走っているので、頑張ったとしましょう。

次回はリタイヤ後の様子と移動です。

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コメント 2

通りすがり

枝幸から雄武まで宗谷バスが運行されていますよ。
by 通りすがり (2016-07-22 10:19) 

takerunosuke

本当ですね。
そういえば、セイコーマートでもそう聞いた気がします。
どうやら覚え違いをしていたようです。
教えていただいてありがとうございました。
by takerunosuke (2016-07-24 21:48) 

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